― これまでの延長では捉えにくい変化について ―
この回は、制度の変化を、どのように受け止めるかという視点を整理する回です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
調剤報酬改定の内容が見えてくる中で、現場でも経営の立場でも、さまざまな受け止め方があると思います。
最初は、「いつもの改定の延長」という印象を持つことも自然なことだと思います。
ただ、内容を読み込んでいくと、これまでの延長だけでは捉えにくい変化が含まれていることに気づきます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今回の改定の特徴
今回の改定は、単なる点数の上下というよりも、薬局のあり方に関する方向性がより明確に示されている印象があります。
これまでのように、
・立地に基づいて患者さんが来局する
・調剤業務を中心に評価される
という枠組みから、
・機能や役割に基づいて評価される
・継続的な関与が重視される
という方向へ、軸が移っています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「一回の対応」から「継続」へ
制度の設計を見ていくと、
・かかりつけとしての関わり
・在宅領域への関与
・医療機関との連携
など、薬剤師の関与が単発ではなく、継続した関係として評価される流れが強まっています。
これは、業務の量というよりも、関わり方そのものが問われているとも言える変化です。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
これまでの前提が通用しにくくなる可能性
この流れを踏まえると、これまで自然に成り立っていた考え方が、少しずつ合わなくなる場面も出てくることになります。
例えば、
・立地に依存した運営
・処方箋枚数を軸にした考え方
だけでは、今後の変化に対応しきれない可能性があります。
ここは、楽観的にも悲観的にもなりすぎず、冷静に受け止める必要がある部分だと感じています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
薬剤師の関わり方について
制度の方向性を見ると、薬剤師の役割は
・調剤業務を前提としながら
・服薬後のフォロー
・在宅や生活に近い領域への関与
といった形で、少しずつ広がっていく可能性があります。
これは、業務が増えるというよりも、関わり方の重心が変わっていくと捉えた方が現実に近いと捉えています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「受け止め方」にも段階がある
大きな変化に直面したとき、人の受け止め方はすぐに整理されるものではありません。
・違和感を持つ
・受け入れにくさを感じる
・どう考えればよいか迷う
こうした状態を経て、少しずつ整理されていくことが多いのが一般的です。
今の薬局業界全体も、ちょうどその途中にあるように感じます。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
すぐに変える話ではないが、変化は始まっている
ここで大切なのは、一度に大きく方向を変えられるという話ではないという点です。
現場には、
・人員
・業務の安定
・患者さんへの継続対応
といった前提の業務があります。
そのため、急激な変化が現実的でないことも事実です。
一方で、制度の方向が変わり始めている以上、これまでと同じ前提のままで捉え続けることも難しくなり始めているのも事実です。
だからこそ、何かを一度に変えるのではなく、
・日々の業務の中で、少し余裕が生まれる部分はどこか
・どの領域から見直していくのが現実的か
・今の段階で準備できることは何か
といったことを、一つずつ整理していくことが、これからの前提になっていくと考えています。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
最後に
今回の改定は、一定の厳しさを含んでいるのは確かだと思います。
ただ同時に、今後の方向性を考えるための材料が示されているとも言えます。
・これまでの延長で捉えるのか
・少し視点を変えて捉えるのか
その違いが、これからの動き方に影響してくる可能性があります。
このブログでは、結論を出すことではなく、考えるための視点を置くことを目的としています。